こんにちは!さくらんぼーです。
僕はフクロナガサ(袋ナガサ)を持っていて、安全に使えるようにツバや滑り止めを付けてフクロナガサ自身はカスタムしていてます。
そして、フクロナガサに付いているデフォルトの鞘(シース)は、古風な見た目でこれはこれでカッコイイのですが、いろいろ気になる部分があります。
フクロナガサの鞘のイマイチなところ
携帯して歩くと音がする
鞘は木材でできており、刃との隙間が大きいので腰に下げて歩くとカタカタと音がします。
猟の時には音は立てたくないし、なにより耳障り。このイマイチポイントは多くの方が言っています。
分厚い
木材でできているため、強度をもたせるように分厚めになっているのでしょう。腰に下げると邪魔。
抜け止めがイマイチ
僕が持っているフクロナガサは8寸の物で、7寸以上の長さのフクロナガサの鞘には革ベルトでできた抜け止めが付いています。これには何個もイマイチポイントがあります。
このベルトは柄に巻き付けてホックで止める構造、テーパーがついた柄に巻き付けるので、抜け落ちるまではないがだんだん緩んでくる。緩むと鞘から刃がのぞいてきて危ない。
鞘に納めるときにはこの皮ベルトをよけるように左手を添える必要があり危なく、しかもホックを止めるのも片手では難しい。
これら鞘のイマイチポイントをなくすために、かつてより自作したいと思っていてカイデックス(Kydex)という樹脂シートが目にとまりました。
初めてのことなので、いきなりフクロナガサの大きさにチャレンジするのは失敗して材料を無駄にリスクがあるので、まずは小型のナイフ用の鞘を作ったのが下の記事。
前回作ったことでカイデックスの軟らかさとか自作する上での勘どころがなんとなく分かってきました。
あとはどんな形状にするか・・・と悶々とする日々。
カイデックスのシートにフクロナガサを当てがって材料取りを考えたり、ベルトへの通し方を考えたり、抜け止めの構造を考えたり。
で、やっと頭の中では形状が固まってきたので自作を開始です。
フクロナガサの鞘をカイデックス(Kydex)で自作するんや!
それでは作っていきましょう。
①カイデックスを切り出す
カイデックスにフクロナガサを置き、だいたいの大きさを決める。
300mmの長さにフクロナガサの刃の部分は十分入り、ベルトクリップの取り付け代を考慮すると丁度の長さ。
曲尺を乗せているのはカイデックスの辺に対してフクロナガサが直角になるようにするため。
カイデックスは二つ折りにして使うので、倍の幅+α(折り曲げ代)の位置でプラスチック用カッターで傷を付けて折る。
②柄の部分の荒形状だす
カイデックスにフクロナガサをあてがって切る位置を鉛筆で書く。曲げた後では切りにくくなる部分を先に切っていく。
後から切ったり削ったりはできるので、切り代は少な目にしておくと無難。
プラスチック用ノコギリで切る、ノコギリで切れない所はルーターで切る。
③柄の部分とロックの部分を曲げる
周辺部分カイデックスが平坦のままだとフクロナガサの柄が干渉して作業ができないので、ヒートガンで柄の周辺部分だけを温めて曲げる。
フクロナガサの柄に干渉しないように、ゆるいS字に曲げる
この後の作業の邪魔になるので、ロック部は一旦は逆方向に曲げてフクロナガサのツバが当たらないようにしておく。
④フクロナガサにマスキングテープを貼る
ナイフを鞘からスムーズに抜き出せるようにするため、ナイフと鞘の間には隙間が必要で、マスキングテープの厚みがその隙間になる。
ここで気を付けないといけないところが、フクロナガサには『裏スキ』があるということ。
写真のように、刃の中央に向けて凹んでいるのが『裏スキ』、切れ味をよくするための工夫です。
この『裏スキ』の凹みの形状に沿って鞘を作ってしまうと、鞘から抜けなくなるので、まずは『裏スキ』を埋めるようにマスキングテープを貼る。下の写真は一枚だけ貼った状態。
様子を見ながら『裏スキ』の凹みがなくなるまでマスキングテープを重ねて貼ったあと、刃全体を1重(重なり部は2重)でマスキングテープを貼る。
⑤刃の納まる部分を成型
刃の納まる部分をヒートガンで温めて、マスキングテープを貼ったフクロナガサを乗せる。
カイデックスでフクロナガサを包むように二つ折りにして、カイデックス成型用で圧縮。
Lクランプで挟んで固定したまま10分ほど冷まして完了。
と簡単に書いているが、二つ折りが斜めになってしまったりとなかなか難しく、ここの工程は何度もやり直していている。(カイデックスは温めれば何度でもやり直せるので失敗を恐れなくてもよい)
フクロナガサを抜き、カイデックスの合わせ面の隙間に、塩ビパイプ用接着剤を少量流し込み、クランプやらクリップやらでガッチリ固定して接着剤が硬化するのを待つ。
このタイミングで接着をするのは、後に行うノコギリで切ったりするときにカパカパ開くのを防止するため。
⑥ロック部の形状の調整
今の段階でのロック部はこんな感じ、当たり前だけど逆に曲げているのでロックはかからない。
ロック部だけををヒートガンで温めて曲げ直したり、ヤスリで削って形状を微調整もする。
ロック部以外は変形させたくないので、他の部分は布とかで覆って温めるとよい。
ロック部を曲げ直したあとでフクロナガサを差してみると、ロック部の横に刃が当たってこれ以上入っていかない。(失敗)
ロック部をひねりをいれた形に曲げ直ししてみる。
ひねりを入れて正解、スムーズに刺すことでできるようになった。
⑦ハトメでカシメる
ハトメを置いてカシメる位置を決め、その位置を鉛筆で印をつける。
ハトメの直径をノギスで測ると6.5mm、6.5mmのドリルで穴をあける。
ハトメを穴に入れ、カシメ器で叩く。
⑧刃の入る部分の外形をざっくり切る
刃の入る部分の外形をプラスチック用ノコギリで切る。長方形だったものがだいぶそれっぽい形に。
⑨ベルトクリップの取り付け(仮)
ベルトクリップの穴に合わせて鞘に穴をあける。
ベルトクリップをネジで仮固定し、フクロナガサを抜き差しして干渉したりするとこがないかを確認。大丈夫そうだ。
⑩細部を仕上げる
外形はノコギリで切っただけで角がとがっているので、ベルトクリップのネジを外して気がすむまでヤスリがけ。
気がすんだら再度ベルトクリップを取り付け、ネジが緩んでしまうのを防止するためネジにロックタイトを塗って締めて完成!
次のページでは使った材料や工具を説明します。
コメントを残す